「こんなに苦しい生活をするなら生活保護をもらった方が楽になるんじないかな……」そう思った事はありませんか?
「だけど、うちは借金があるから生活保護なんて受けられない」そう思い込んで困っている方は多いようです。
自分がその立場になるまでは「貧困なんて私には関係ない」と思っておられた方が多いかと思うのですが、病気や失業、商売の失敗。あるいは自分は頑張っいるのに配偶者が借金を作ってしまった……等、様々な理由から人は貧困に陥ります。
「借金があると生活保護は受けられないよ」と言う噂を信じて、借金に苦しんでいるのに生活保護の申請をしない方が多いのですが、それって本当なのでしょうか?
借金があると生活保護を受けられないって本当?
借金があると生活保護は受けられない。これはある意味本当で、ある意味嘘です。
そもそも生活保護とは何かの事情で生活が困っている人に対して国がお金の支給を行う制度です。
日本人は全員「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」を持っていると憲法で定められていて、生活保護の費用は「健康で文化的な最低限度の生活を営む」ために使われます。
借金があっても生活保護は申請出来ます
生活保護の費用は人が生きていくために使われる費用だと考えてください。
衣食住を満たすための費用なので、借金の清算に当てることは出来ません。
ちょっと考えてみれば分かることですが、借金の清算まで生活保護でまかなえるようになってしまったら、働く人がいなくなっちゃいますよね?
もともと生活保護は憲法で定められている通り「最低限度の生活を営む」ための費用しか設定されていないのです。
借金を理由に役所に行っても門前払い……
生活保護を申請しようと役所の窓口に出向いても「働いている人は生活保護はもらえない」とか「借金があるなら生活保護申請はできない」などと言って、門前払いを受けるケースがあります。
これは「生活保護の水際作戦」と呼ばれるもので、最近では社会問題になっています。
生活保護の申請は拒否できません
もちろん生活保護は申請したからといって必ず貰えるものではありませんが「申請は受理しなければならない」と法律で決められています。
福祉事務所は生活保護受給者を増やしたくないと思っているため、あの手この手で申請書を提出させない方向に持っていこうとするケースがあります。
これは、生活保護の申請は拒否する事が出来ないため、役所は一旦、申請書を受け付けると法律に沿って手続きをしなければならないからなんです。
生活保護の申請で調査されること
生活保護を申請すると、受給に向けて調査が入ります。
生活保護の申請で調査される内容
- 生活状況等を把握するための実地調査(家庭訪問等)
- 預貯金、保険、不動産等の資産調査
- 扶養義務者による扶養(仕送り等の援助)の可否の調査
- 年金等の社会保障給付、就労収入等の調査
- 就労の可能性の調査
引用:生活保護制度|厚生労働省
調査の内容は厚生労働省のHPから引用したものです。
生活保護を申請した時の調査にも「借金」を取り上げていない以上、「借金があると生活保護は受給出来ない」と言うことが間違いだって事が分かりますよね?
生活保護を受給するためためには色々な条件かありますが、基本的にこの2つ条件さえクリアできていれOKです。
- 収入が無い
- 貯金(資産)が無い
借金があって生活が苦しくても、収入があったり貯金(または換金出来る資産)があれば、生活保護を申請する事は出来ませんが「収入も貯金も無い」と言う状態なら生活保護を申請する事は可能です。
自己破産するよう指導される事もあります
生活保護を申請する時に借金がある場合、生活保護の支給が開始された後に、ケースワーカーから「自己破産をしなさい」という指導される事があります。
自己破産を指導される借金額について、明確な基準は定められていません。
自己破産の指導については「ケース・バイ・ケース」と言うことらしく、誰もが100万円を越える借金があれば自己破産をするよう指導される…と言う訳ではありません。
役所が債務整理や自己破産の手続きをしてくれる訳ではありませんが、無料で法律相談を受け付けてくれる「法テラス」に行くように指導れさます。
債務整理をベースに弁護士さんに相談を!
「借金でどうしようもない」「明日食べる物も無い」というところまで追い詰められている場合は、債務整理を視野に入れた上で弁護士さんに相談してください。
法テラスなどの無料相談もありますし、債務整理や生活保護の申請に強い弁護士さんだと、債務整理と生活保護の申請をセットにして面倒をみてくださいます。
弁護士費用が出せないだけど……
弁護士さんはボランティアではありませんから債務整理と生活保護の申請をお願いするとなると「無料で」と言う訳にはいきません。ですが生活保護の決定した後、分割での支払いを提案してくれる弁護士さんは少なくありません。
弁護士費用を融通してくれる制度もあります
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勇気を持って相談を!
1度貧困に陥ってしまったら、そこから抜け出すにはガッツが必要です。
「恥ずかしくて相談出来ない」と言う気持ちは分かります。
ですが、勇気を持って弁護士さんに相談してください。「今より楽になれる」のなら頑張ってみる価値はあるのではないでしょうか?
「借金があるから生活保護も受けられない」なんて諦めずに、一歩踏み出してみてはいかがでしょうか?
生活保護について知りたい事色々